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ブラジル・サンパウロの治安は悪い! すぐにできる安全対策まとめ

ブラジル・サンパウロの治安は悪い! すぐにできる安全対策まとめ

ブラジルと言えば、ラテン気質の陽気な国をイメージする人も多いはず。その一方で、犯罪の多さから、最も治安が悪い国の一つとしても知られています。
残念ながら、ここサンパウロも例外ではありません。今日は、私がサンパウロに10年暮らす中で身に着けてきた、自分でできる安全対策についてお話しします。

サンパウロの治安情勢

安全対策のお話しをする前に、まずはサンパウロ州全体と、サンパウロ市とに分けて、過去10年分の犯罪の統計を見てみましょう。

過去10年間におけるサンパウロ州全体での犯罪発生件数
殺人 窃盗 強盗 車両窃盗・強盗
2008 4,432 489,434 217,966 159,124
2009 4,564 529,187 257,022 177,197
2010 4,325 506,653 232,897 169,402
2011 4,193 541,139 235,523 184,311
2012 4,836 545,373 237,915 195,701
2013 4,443 542,888 257,068 215,510
2014 4,293 516,551 311,214 221,532
2015 3,758 495,334 307,392 189,349
2016 3,521 514,892 323,274 188,881
2017 3,294 515,595 303,906 172,559

出典:サンパウロ州公安局

過去10年間におけるサンパウロ市での犯罪発生件数
殺人 窃盗 強盗 車両窃盗・強盗
2008 1,263 154,539 109,637 74,617
2009 1,237 176,644 123,501 79,118
2010 1,196 171,273 110,909 77,855
2011 1,019 198,252 109,709 83,295
2012 1,368 199,428 113,044 86,945
2013 1,175 201,305 126,526 99,190
2014 1,132 190,717 160,210 99,047
2015 991 176,579 154,706 82,005
2016 844 183,350 159,557 82,830
2017 713 193,686 153,848 74,747

出典:サンパウロ州公安局

サンパウロ州全体を見ても、サンパウロ市だけを見ても、殺人の件数こそ減少しているものの、窃盗・強盗件数は増加しており、悪化の一途をたどっていることが分かります。2017年のサンパウロ市内の一日の窃盗件数は530件にも上り、平均して1時間に22件発生していたことになります。

近年は、リベルダージ地区で邦人を狙った強盗が多発するなど、殺人事件にまで発展したケースもあり、改めて個人の防犯意識が問われています。

私自身、2012年に強盗被害に遭い、今でも忘れることのできない、大変辛い、苦い経験をしました。
詳しくは「ブラジル・サンパウロで強盗被害に遭った話」に書いてあります。

brazil-saopaulo-life.hatenablog.com

自分の身は自分で守るしかありません。私が経験から学び、日頃意識していることをご紹介しますので、外出する際の参考になればと思います。

※ 経験談を交えているため、かなりの長文です。

サンパウロの治安対策

外出前の準備

外出前の準備

家を出る前から治安対策は始まっています。事前準備が結果を左右すると言っても過言ではありません。

その1:行先について調べておく

初めての地域、土地勘のない地区などを訪れる際は、あらかじめルートを調べておくほか、Google Maps で街の雰囲気を見ておくことをおすすめします。

「この道は人通りが多い」「ここは塀が高くて視界が遮られる」など、注意すべきポイントが分かるからです。

周囲の人にその地域の評判を聞いておくのも非常に有効です。土地を知り尽くしたブラジル人なら、的確なアドバイスをしてくれるはずです。

その2:外出はカジュアルな服装で

Tシャツにハーフパンツなど、できるだけ目立たない、カジュアルな服装で外出するのが無難です。というのも、スーツ姿のビジネスマンなど、きれいな服装=裕福=犯罪者のターゲットとなり得るからです。

私は、ドレスなどを着る必要がある日は、公共の交通機関を使わずに移動するか、会場に着いてから着替えるかしています。

フォーマルにする必要がない日は、できるだけシンプルに。服だけでなく、バッグや靴など、全身に気を配りましょう。ブランド品にはくれぐれも注意。

その3:服装で外国人感を出さない

サンパウロは人種のるつぼ。一見、分からなそうですが、服装や立ち振る舞いなどから、言葉を発しなくてもなんとなく外国人だと分かってしまうものです。

外国人観光客=お金持ち(現金やカメラ、iPhoneなどの高価なデバイスを所持している)との認識、また現地に不慣れであることから、標的にされやすいものと思われます。

パウリスタ(サンパウロ州出身の人のこと)をよく観察して、浮かない服装を心がけましょう。

その4:金色のアクセサリーは身に着けない

ブラジルではとにかく金のアクセサリーが人気で、ほとんどの人が純金の結婚指輪を選ぶほど。色がゴールドのものであれば、純金だろうが、18Kだろうが、メッキだろうが、品質に関係なく狙われる可能性があります。

指輪に限らず、ネックレス、イヤリングやピアスなども、金色のものは避けましょう。

とはいえ、女性は外出時にアクセサリーは着けたいもの。私は、色がシルバーのもの、ウッドビーズやカラフルなデザインのものなどは普段から着けています。パーティーでビジューなど華やかなものを着ける場合は、会場以外では外すなどの工夫が必要です。

また、腕時計も狙われやすいものの一つです。ブランド物を着けないのはもちろんのこと、安価なものであっても、外で着ける場合は注意しましょう。

その5:盗まれて困る物は初めから持ち歩かない

極論ですが、大事なことです。不要に高価な物を持ち歩くのはやめましょう。

今や世界中どこでも、ノートPCやタブレットなどを持ち歩き、外出先で使用するのはごく一般的なことですが、犯罪者はPC用のリュックやバッグはよく見ていると聞きます。事実、数年前には、IT系の学生が狙われ、通学路で待ち伏せされて荷物ごとPCを奪われるという被害が頻発したこともありました。

紙のものが狙われる可能性は低いと思いますので、出先での仕事はペンとノートに頼るのが良いかもしれません。

その6:身分証はコピーを持ち歩く

再発行のリスク回避のため、身分証のオリジナルは自宅に置き、携帯用にはコピーを準備しましょう。おすすめは、Cartório(公証役場)でオフィシャルなコピーをとり(認証印を押してもらえます)、それをラミネートすることです(文房具店などでやってもらえます)。

ただし、施設によってはオリジナルの身分証の提示を求められる場合もありますので、事前確認をおすすめします。

その7:財布と鍵、バス・地下鉄カードはポケットに入れる

これも、万が一に備えてのこと。もし、荷物を根こそぎ持っていかれたとしても、ポケットの中身は残ります。現金を要求された場合は財布を差し出すしかありませんが、家の鍵とBilhete Único(ヴィリェチ・ウニコ=バス・地下鉄カード)があれば、所持金ゼロでも帰宅することができます。

可能であれば、スマホもポケットに入れましょう。

その8:現金を準備(差し出し用)

差し出し用の現金100レアル程度を必ず持ち歩きましょう。強盗に遭ったら抵抗しないことです。スマホなどの所持品を要求された場合も、抵抗せずに速やかに差し出しましょう。物を惜しまないこと。命には代えられません。

また、カードの盗難被害に遭った場合を想定して、事前に番号停止などの手続きを確認しておきましょう。

その9:夜間は外出しない

特に、22時以降の外出は避けましょう。私が強盗被害に遭ったのも22時以降でした。アウグスタ通りのナイトクラブなどは人気のようですが、スマホの盗難の話など頻繁に耳にします。

場所によっては、昼間でも危険です(ヘプブリカ広場やセー広場など)。事前に情報を得る、一人では行かないなどの対策を。

外出時の注意点

外出時の注意点

外出時は、一人の時は警戒心が保てても、誰かと一緒だとつい気が緩みがちになります。屋外での注意点を押さえて、しっかり防犯しましょう。

その10:周囲をよく見る

これは、サンパウロを歩く上で最も大切なことです。自分の前はもちろん、後ろにいる人の気配など、周囲に常に気を配りましょう。

私は、不審者に気づいたら、道を渡るなどして回避しています。

用心している姿勢を見せることも大切です。暇そうにボーッと歩いている人と、警戒しながらきびきび歩いている人では、狙われやすさにも違いが出るというものです。

その11:屋外で高価な物は出さない

屋外ではスマホは使用しないことです。以前、コンソラソン通りで、スマホで通話していた人が、自転車に乗ったひったくりに遭うところを目撃しました。追い越しざまの一瞬の出来事でした。

スマホをいじりながら屋外に出た途端にひったくられた知人もいます。

また、パウリスタ大通りで、首から一眼レフを下げた人を見たこともありますが、これでは「盗んでくれ」と言っているようなものです。

パウリスタ大通りなどの人通りが多いところや、混雑したバス・地下鉄内など、気付かずしてスリ被害に遭う人も少なくありません。荷物は背負わずに自分の体の前に抱えるなどして、人混みでの防犯対策も徹底しましょう。

その12:日本語(外国語)での会話に注意

前述した「服装で外国人感を出さない」にも通じることですが、自ら外国人であることをアピールしないためです。

ポルトガル語の環境下で、英語や日本語の会話はかなりの注意を引くものです。移住当初、私はよく無意識にやってしまい、そのたびに家族に注意されていました。

屋外では「浮かないこと」が重要なのです。

以上、思いつく限りの私の安全対策を並べてみました。
警戒心を忘れずに、自分の身は自分で守って、サンパウロ生活を楽しいものにしたいですね。

これらの対策は、犯罪被害に遭わないことを保障するものではありません。
個人でできる安全対策の一例として参考にしてください。